皆さまは、セイバンのランドセルがどのようにしてつくられているのかご存じでしょうか?
「丈夫でしっかり、6年安心!」を実現するために約250個のパーツからできているセイバンのランドセルは、職人たちの手から手へ、たくさんの工程を経てつくられています。
小さなパーツから1つのランドセルが完成するまで、セイバンのランドセル工場を覗いてみましょう。

セイバンのランドセルが生まれる場所「セイバン スマイル ファクトリー」

2020年7月、兵庫県たつの市にオープンした、セイバンの新しいランドセル工場「セイバン スマイル ファクトリー」 。ランドセルミュージアムやファクトリーショップを併設した新工場では、パーツの裁断からランドセルの縫製まで一貫して行われています。

ランドセルづくりのスタートは「生地の裁断」から

「裁断はランドセルづくりの最初の工程なので、特にサイズの間違いが許されません。季節や天気によって生地の状態が変化するので、微調整を行いながら常に緊張感を持って作業に取り組んでいます」と、裁断担当者は語ります。
肩ベルトや前ポケットなど、パーツの形状に合わせて生地を「型抜き」していく工程。型抜きは、クリッカーと呼ばれるプレス機を使うので一見簡単なように見えますが、生地の違いや天候の違いによって調整が必要になるので、実は手慣れた職人の技術が欠かせません。

パーツを組み合わせていく「パーツ加工 」

生地のカーブに合わせてミシンをカタカタ。
続いては、いくつものパーツを組み合わせて「前ポケット」や「肩ベルト」などをつくる「パーツ加工」の工程です。

「ランドセルはたくさんのパーツを組み合わせるので、決してひとりでつくれるものではありません。職人たちみんなが“子どもたちに喜んでもらいたい”という気持ちをつないで、一つひとつのパーツを組み合わせ、ランドセルが出来上がっていきます」と、パーツ加工担当者は話します。
例えば、前ポケットや肩ベルトなど、たくさんのパーツを正確に組み合わせなければならないので、機械に頼るのではなく、多くの手作業が必要になります。

ランドセルの形をつくる、さまざまな「縫製」工程

出来上がった各パーツを縫製してランドセルを仕上げていく工程です。
教科書を入れる開口部に補強のための「ストロングテープ」を巻きながらミシンをかけていきます。
ランドセルのような立体のフォルムを縫うのは、平面の布を縫うのとは違い、巧みな手の動きとミシンさばきの技術がなければできません。
縫製の責任者は、「ミシンの目幅をそろえるのはもちろん、生地によって伸びが違うので縫い方も変える必要があります。なので、しっかりと技術を習得するのに2、3年以上かかる場合もあるほどです」と、縫製に関するこだわりを話してくれました。
本体とは別の工程で、「背あて」と「背カン」が入る部分を  鋲(びょう)で留めて一体化させます。
「背カン」 は、セイバンのランドセルの心臓部とも言えるパーツ。小さな部分だからこそ、慎重に作業していきます。

“丈夫でしっかり!”を実現する「2重巻き」による補強

見た目はランドセルのかたちになりましたが、これで終了ではありません。
ランドセルの端に、補強材となる「2重巻き」を付けます。
ヘリマキの上に(さらに)2重巻きを付けて手作業でしっかりと補強を。いたみやすい部分をしっかりと強化するひと手間が、長持ちを実現しているのです。

すべてをつなげる「仕上げ」のミシン

背あて部分と本体を、補強材と合わせながらしっかりと縫い付ける「仕上げ」のミシンです。見た目とは裏腹に、生地が重なったミシンがけは、かなり体力のいる作業なので、主に男性職人が担当します。縫い続けていると、終わるころにはぐったりすることも。
「でも、ここち良い疲れなんですよ」と、仕上げミシン担当者は教えてくれました。

お客さまに安心をお届けするための「検品」

「検品は、ランドセルづくりにおける“最後の砦”だと思っています。お客さまのもとへ自信を持ってお届けするために、見た目の美しさはもちろん、機能性が満たされているかも入念にチェックしています」と検品責任者は語ってくれました。
最終の検品作業では、ブラシをかけ、布でチリなどを拭き取り、縫製や仕上げに不備がないかを入念にチェック。少しでもセイバンのクオリティを満たしていない場合はチェックが入り、調整を行います。
職人たちの思いをつないで完成したランドセルを、安心してお客さまにお届けするために、最後の砦で熟練した職人の目が光ります。
 
いよいよ、検品を終えたランドセルは、化粧箱に収納され、お客さまのもとへ発送となります。

手づくりの温もりをお届けしたい

セイバンのランドセルが、裁断から検品まで、たくさんのパーツと工程をたどって完成するまでをご紹介しました。セイバンのランドセルづくりには、ランドセルを愛する職人たちの高度な技と、「子どもたちに喜んでもらいたい」という想いがつながっていることを知っていただけたのではないかと思います。
ぜひ、一度、セイバンのランドセルを実際に背負って体感してみてください。
※撮影時のみマスクを外しています