【正和堂書店がおすすめを教えてくれる】ママとこどもの本屋さん【第7回】
2020年に創業50年を迎える老舗の本屋さん、正和堂書店。
Instagramでおすすめの本を毎日レコメンドして、5万人以上のフォロワーがいる正和堂書店さんが、ママと子どもたちにぴったりな本を紹介してくれる連載「ママとこどもの本屋さん」。

今回は、秋にぴったりな「運動」をテーマにした、ママと子どもたちにオススメの本をお届けします。

どこでも手ぶらで今すぐに!心に身体に気持ちいい「ずぼらヨガ」

『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』/崎田 ミナ 著/福永 伴子 監修/飛鳥新社/1,111円+税

『自律神経どこでもリセット!ずぼらヨガ』/崎田 ミナ 著/福永 伴子 監修/飛鳥新社/1,111円+税

目が覚めたとたんに、ノンストップで始まるママのお仕事。ついつい自分のボディメンテナンスは後回しにしがちですよね。そんな頑張り屋さんの心と身体を、ヨガでリセットするのはいかがでしょう?

「ヨガ」といえば、難しい呼吸法に洗練されたポーズと、オシャレなウエアとマット。何だかハードルが高く感じますよね。でも、この「ずぼらヨガ」なら大丈夫!イラストの説明で、どこに効いているのかが分かりやすく、ポーズを厳選しているのでサクッと読めてすぐ始められます。

もちろん身体が硬くても問題ありません。ポイントは無理に完成形のポーズに近づけることよりも、自分にとって気持ちよく伸ばせるか。この「無理のない」感じがいいですね。「え?こんな簡単でいいの?」と思うかもしれませんが、効果はテキメン! 伸ばしたところがじわじわスッキリと、身体の変化を感じられること間違いなしです。

またこの本では、1章「リラックス」・2章「元気が出る」・3章「リフレッシュ」と、ヨガの効果ごとに紹介されているので、まずは自分の身体と相談して、1ポーズやってみるのをオススメします。4章では「朝・昼・夜おすすめメニュー」として、効果的な組み合わせも紹介されていますよ。コラムでは、自律神経や筋肉構造まで効用が書かれていて、しっかり要点もまとめられているので理解を深めることができます。

すぐできて、すぐ終わるので隙間の時間にぴったり! 慌ただしい生活の中にも取り入れやすいですね。それも「ずぼらヨガ」の素晴らしいところです。リビングのいすやテーブル・廊下の壁やお布団で、家じゅういつでもどこでもヨガができちゃいます。気軽に読めて、手軽に始められる「ずぼらヨガ」。
忙しいママたちの心と身体を、ゆるりと軽やかに整えてくれますよ。

筋肉は裏切らない!!「やせ筋」鍛えてメリハリBODY

『はじめてのやせ筋トレ』/とがわ愛 著/坂井建雄 監修/KADOKAWA/1,200円+税

『はじめてのやせ筋トレ』/とがわ愛 著/坂井建雄 監修/KADOKAWA/1,200円+税

インドア派でぽっちゃり体型の著者が5か月でマイナス10kg! 試行錯誤の末にたどり着いた「やせ筋トレ」とは、内転筋や大殿筋・中殿筋など、8か所の筋肉のトレーニングをすることです。

トレーニングは「やせ筋」のパーツごとにまとめられているので、気になるパーツに狙いを絞ってアプローチできます。イラストで初心者にもわかりやすく、「ここを鍛えるとこうなる」と、意識しながら鍛えることができます。また、10分3種目の時短メニューで、効率よく鍛えられるのも嬉しいところ。なかなかやりごたえはありますが、回数が増えていったり、身体に確実な変化が現れたりするとモチベーションが上がりますよね!

著者のとがわさんが語る筋トレの魅力は、家でもできる・時間がなくてもできる・理想の体をデザインできる、という3点。これは忙しいママにも魅力的ですよね。一般的な筋トレとは違って、女性らしいメリハリボディを作るためには、鍛えるところと鍛えないところの見極めが重要なのだとか。

なかでも、「鍛えすぎるとゴツくなるムキ筋には要注意」として、鍛えなくてもいい筋肉が紹介されています。ふくらはぎを細くするためには、ふくらはぎを鍛えないほうがいいなんて、目からウロコですよね!

「筋トレ」と聞くと、思わずハードそう……と身構えてしましそうですが、正しいポーズで「まずは1回!」といわれると、チャレンジしやすいです。また、寝ながらできる内転筋のトレーニングなど、「ながら」でできるメニューがあるのもいいですね。もっと鍛えたい人に向けた「やせ筋トレ上級編」や、部位ごとの「細見え!ストレッチ」もあって、はじめての筋トレから長い期間、理想の身体の追求を応援してくれる本です。

読み終わったころには、モチベーションが上がって、ダンベルが欲しくなるかもしれませんよ。運動の秋、ちょっぴりストイックに自分の身体と向き合ってみるのもいいですね。

がんばれ、だいぶつさま! 世界でいちばんありがた~い運動会!?

『だいぶつさまのうんどうかい』/文 苅田澄子/絵 中川学/アリス館/1,500円+税

『だいぶつさまのうんどうかい』/文 苅田澄子/絵 中川学/アリス館/1,500円+税

「きょうは ほとけさまたちの うんどうかい。はじめて さんかの だいぶつさま。おおきな からだで どっすん どっすん。じょうずに できるかな?」

千手観音さまにお地蔵さま、狛犬たちまで、それぞれの持ち味を活かして大奮闘!しかし、1000年座りっぱなしだった大きな大きなだいぶつさま、玉入れに障害走など張り切って競技に参加するものの、なかなかうまくいきません。
とうとう「もう おてらに かえりたい……」なんて、しょんぼりしてしまいます。だいぶつさまにピッタリの競技は、いったい何なのでしょう?

「仏様たちの運動会!?」と設定にまず驚いてしまいますね。全てひらがなで書かれたことばもリズムよく、テンポよく読み進められます。何より、「ほとけさま」 たちが赤白帽子をかぶって張り切る姿は、とっても表情豊かでユーモラス!
ジャージ姿の弥勒菩薩さまがラインを引いたり、七福神さまたちがバンドで演奏したりと、どのページにもクスリと笑ってしまうおかしみがあって、こどもも大人も楽しめること請け合いです。

また、絵を描いた中川学さんは浄土宗西山禅林寺派の僧侶でもあります。カバー裏や見返し・裏扉には、「ほとけさま」の知識がたくさん紹介されているので 、おまけの「もっとしりたい ほとけさま ミニブック」と合わせて、大人も思わず「ふむふむ、なになに」と読んでしまいますよ。

知れば知るほど個性豊かな「ほとけさまたち」。まるで、みんな違ってみんないいということを現しているようです。ありがたくて遠くで見守ってくれていると思っていた「ほとけさまたち」が、ぐっと身近に感じられる1冊。秋の行楽に「ほとけさまたち」に会いに行くのもいいですね。

想像力は無限大! いろんなものになりきって、親子でたいそうしませんか?

『パンダ なりきりたいそう』/いりやまさとし 著/講談社/1,000円+税

『パンダ なりきりたいそう』/いりやまさとし 著/講談社/1,000円+税

ぐーんとのびてチューリップになったり、おしりをくねくねしてバナナになったり、小さなパンダがからだを動かして、いろいろなものになりきっていきます。コマに飛行機、どれも簡単な動きでそっくりに変身! いりやまさんの描くホワホワなパンダの愛くるしい動きに、自然と笑顔になってしまいます。

きっと子どもたちも楽しくなって、読んでいるうちから、すぐマネっこしはじめるのではないでしょうか。絵本を読み聞かせたあとで、一緒に体操するのもいいですね。きっと絵本のパンダよりも愛らしい、子どもたちの表情や仕草を間近で見ることができますよ。

他にも「なりきり」コンテストを開催したり、脱線して「これなーんだ!?」と「なりきりたいそう」クイズを出し合ったりするのも楽しそうですね。子どものアイディアで遊びを広げていくのも素敵です。

とてもシンプルな本ですが、たくさんのコミュニケーションが生まれる、魅力的な絵本です。全身を使って楽しめるので、レクリエーションにしてもいいですね。

そんな、パンダのなりきりたいそう、最後はボールになってコロコロコロコロ、「おかあさんパンダがぎゅっ!」で、おしまい!です。
小学校の入学が近づいてくると、抱きしめられるのが少し照れくさくなるお年頃にもなってきます。子どもの成長が嬉しい反面、ちょっぴりさみしく感じたりもしますよね。
この本は、1・2歳の少し小さな子どもから楽しめる絵本ですが、たまにはこんな絵本を選んでコミュニケーションのきっかけにするのもいいと思います。

ママとこどもの本を選んでくれた「正和堂書店」

2020年に創業50年を迎える、大阪市鶴見区にある昔ながらの本屋さん。
活字離れと言われるなか、さまざまなジャンルの本を知ってもらいたいという思いから、2017年3月より毎日インスタグラムにて本を紹介しています。
新しい試みとして発表したアイスキャンディー型のブックカバーも話題となりました。
3世代に愛される町の本屋さんを目指し、色々な事にチャレンジしながら頑張っています!