【正和堂書店がおすすめを教えてくれる】ママとこどもの本屋さん【第6回】
2020年に創業50年を迎える老舗の本屋さん、正和堂書店。
Instagramでおすすめの本を毎日レコメンドして、4万9000人以上のフォロワーがいる正和堂書店さんが、ママと子どもたちにぴったりな本を紹介してくれる連載「ママとこどもの本屋さん」。
 
今回は、「秋になったらアウトドアを楽しみたい!」と思っているママと子どもたちにオススメの本をお届けします。

秋のおでかけをもっと楽しく!「#ごちそうおにぎり」でパワーアップ!

『主役は、ごちそうおにぎり つまみにポテサラ、シメのホットサンド』/ Tesshi(@tmytsm) 著/KADOKAWA/1,200円+税

『主役は、ごちそうおにぎり つまみにポテサラ、シメのホットサンド』/ Tesshi(@tmytsm) 著/KADOKAWA/1,200円+税

表紙から、ドドーン!! 文句なしに食べたくなる「#ごちそうおにぎり」たち。ついついレシピそっちのけで、ページをめくるのが楽しくなってしまいます。

この本で紹介されるのは、和風の「梅干し天かす大葉おにぎり」から「スモークサーモン&きゅうり&クリームチーズ」なんていう変わり種まで、アイデアいっぱいの88レシピ。インスタグラムでも大人気の「#ごちそうおにぎり」が大集合です。

お子さんに「弁当を食べる時間がないからおにぎりだけでいい」と言われたことで生まれた「#ごちそうおにぎり」は、ご飯とおかずが一緒に食べられることがポイントです。忙しくて時間がない時でもサッと食べられるのがメリットですが、少食なお子さまを持つママにとっても、ご飯とおかずをバランスよく食べられるのが嬉しいですね。
また、その具の組み合わせも自由自在! 「豚の生姜焼きとコーン」や「ツナマヨとおかかオクラ」など、ボリューム満点&バリエーション豊富で、身近な食材でアレンジしやすいのもいいですね。「酢めしおにぎり」はサッパリとしていて、残暑の季節にも活躍してくれそうです。

合わせて紹介されるポテトサラダや、ホットサンドのレシピも、ワクワクと食べるのが楽しみになるものばかり。こんな「ごちそう」が待っているなら、いつもより頑張る元気が湧いてきますね!

朝ごはんやお昼ごはん、普段のお弁当からイベントの日まで、活躍の場は広くオールラウンダーな「#ごちそうおにぎり」。気負わず作れて、冷めてもおいしく、持ち運びしやすいのがいいところ。ちょっとしたピクニックやキャンプでも大活躍してくれそうです! 

Tesshiさんの「ときには、がっつり食べてもいいのだ!」の言葉通り、しっかり食べてエネルギーチャージ! きっと、いつもよりアウトドアの楽しみが増えますよ。

夜空のむこうに広がる世界。「星空散歩」はじめませんか?

『星空がもっと好きになる New edition!』/ 駒井仁南子 著/誠文堂新光社/1,400円+税

『星空がもっと好きになる New edition!』/ 駒井仁南子 著/誠文堂新光社/1,400円+税

暑い夏も終わりを告げ、見上げる空もだんだんと澄んできました。少しずつ長くなる夜の楽しみとして「星空散歩」に出かけるのはいかがですか? ぶらりと歩くいつもの道や、何気なく見上げる窓からの景色が、素敵な星空の世界に続いていきますよ。

この本には、帰り道やお家でできるものから、少し遠出する星見キャンプまで、色々なシチュエーションでの星空の見上げ方や楽しみ方が紹介されています。星見に出かけるときの事前準備のポイントや「星雲を見るときには感度のいい目の端で見る」などのコツ、星空を撮影する方法や双眼鏡や天体望遠鏡のことまで、丁寧に解説されているのが嬉しいです。

そして何よりも、心が吸い込まれそうになるほど美しい星空の写真たち。たとえ星の見えないところでも、この本を開けば、きっと素敵な写真と優しい語り口調に癒されますよ。

また季節や時間ごとの星の見つけ方や星座にまつわるお話など、実用性に加えて読みごたえもあります。
例えば秋の空には、古代エチオピア王家の物語が広がっています。美しすぎて神の怒りをかったアンドロメダ姫、その足元には姫を救った勇者ペルセウス、そしてすぐそばにはアンドロメダの母カシオペアがそっと見守っています。それぞれのエピソードを知れば、同じように星を見上げた古代の人々の心ともつながる気がして、とてもロマンチックですね。これをきっかけに、古代神話を紐解いてみるのも素敵です。

1人で堪能した後は、誰かに教えたくなる星空の話。ぜひ、お子さまと一緒に夜空の物語を楽しんでくださいね。

小さな生きもの博士たちのバイブル。生命の不思議を見て、触れて、楽しく学ぼう!

『生きもの つかまえたら どうする?』/ 秋山幸也 文/松橋利光 写真/こばようこ 絵/偕成社/1,500円+税

『生きもの つかまえたら どうする?』/ 秋山幸也 文/松橋利光 写真/こばようこ 絵/偕成社/1,500円+税

子どもたちは色んな生きものに興味津々。外で遊ぶたびに、捕まえては持って帰ってきますよね。その好奇心をほめてあげたいけれど……でも、ちょっと待って! その小さな命、この後どうしたらいいんだろう?
 
そんな「困った!」を解決してくれるのが、この本です。豊富な写真とイラストで理解しやすく、身近な生き物の捕まえ方、観察のポイントがひと目でわかりやすくなっています。また、漢字にはフリガナがついているので、就学前後のお子さまであれば自分で読むこともできます。図鑑とは異なり薄い本なので、かさばらずに、読みたいページがすぐ開けるのもいいですね。
 
この本の大きな特徴は、「つかまえたらどうする?」として、持って帰り方と飼い方、そして放し方を取り上げていることです。特に「飼いきれなくなったらどうするの?」では、飼うのが難しくなるポイントや放す時期や方法について説明されています。これを押さえておけば、むやみに連れ帰って小さな命を傷つけてしまうことを防げますね。この生命に対する深い思いやりが、この本の一番の魅力かもしれません。
 
印象的なのは、「準備すること」の一番初めに書かれている「生きものをつかまえる心がまえ」です。
「生きものをきずつけないためのあつかいかたのこつや、食べもの、動きかたの特徴を知っているだけで、生きものに近づいたり、手にとったりすることができます。ぜひ、生きものをさがしたり、飼ったりして、楽しんでください。」とあります。その生きものがいた環境に思いを巡らせることが、本当に生命を大切にすることだと教えてくれる1冊です。

たき火を囲んでみんなでごちそう!思わずキャンプに行きたくなっちゃう?

『ピヨピヨ はじめてのキャンプ』/ 工藤ノリコ 著/佼成出版社/1,300円+税

『ピヨピヨ はじめてのキャンプ』/ 工藤ノリコ 著/佼成出版社/1,300円+税

テントに寝袋、飯ごうに特大のお鍋! さあ、キャンプの準備はバッチリです。お母さんから「みんなの しごとは たきぎひろいですよ」と頼まれたピヨピヨたちは、張り切って「しごと」に取りかかります。けれども、思うがままにどんどん森の中を突き進んで……。嫌な予感が的中してハラハラする場面もありますが、大丈夫。とても素敵な出会いがピヨピヨたちを救ってくれます。

大冒険の後は、新しくできた仲間たちと家族みんなでご飯作り。竹で食器を作ったり、石で魚を蒸し焼きにしたりとなかなか本格的です。「ほそい えだから もやすんだ」「まつぼっくり よく もえるね!」なんて、キャンプの豆知識も披露されていますよ。
たき火を囲んでみんなでごちそうを食べる場面は、本当にほのぼのとしていて心温まります。大自然の中、みんなで食事をすることがキャンプの醍醐味だったりしますよね。

自然の中でゆったり流れる時間、そしてキャンプ特有のワクワク感と一体感が閉じ込められた1冊。工藤ノリコさんならではの愛嬌のあるキャラクターはもちろんのこと、温かいタッチで細やかに描かれる世界は見どころがいっぱい。裏表紙にはピヨピヨたちが寝静まった後に、お父さんとお母さんがまったり過ごしている姿が描かれているのもいいですね。

シリーズ第5弾とあって、これまでのお話に出てきたアイテムが登場しているのを見つけると嬉しくなりますね。
キャンプをしたことがあるお子さまはもちろん、未経験のお子さまでも楽しめること間違いなしです。もしかすると、キャンプに行きたい!とリクエストされてしまうかもしれませんよ。

ママとこどもの本を選んでくれた「正和堂書店」

2020年に創業50年を迎える、大阪市鶴見区にある昔ながらの本屋さん。
活字離れと言われるなか、さまざまなジャンルの本を知ってもらいたいという思いから、2017年3月より毎日インスタグラムにて本を紹介しています。
新しい試みとして発表したアイスキャンディー型のブックカバーも話題となりました。
3世代に愛される町の本屋さんを目指し、色々な事にチャレンジしながら頑張っています!