作業台のミシンに向かって座り、リズムよく小刻みに生地を動かして縫い進めていく。手慣れた手つきでランドセルを積み重ねる姿はすでに「職人」のよう。入社して現在3年目の丸山さんは、ランドセルへの愛情を人一倍強く持っています。
「ランドセルを作るって、カッコいいですよね。小学校の6年間ずっと側にあるものなので、とても愛着が湧くものですし。そんな想いがこもったランドセルを作る職人になりたいなと思ったんです。」

親しみやすい笑顔の丸山さんも、仕事中は夢中でミシンに向かっています。ミリ単位が問われる世界で、どれだけいいものがつくれるか。仕事が始まると集中力のスイッチが入ります。

「生地を縫っていくときに難しいのは、力加減です。気温によって生地が伸縮するので、縫いながら押したりひいたりしながら調整するのですが、最初はうまくいかず、数えきれない程失敗しました。ズレてしまったり、生地をムダにしてしまったり・・・何度も失敗と成功を繰り返し、だんだん、手と目利きの感覚を体得して行く中でやりがいを感じています。」

愛情のものづくりを、これから

丸山さんのランドセルづくりをサポートしてくれるのは、熟練の技術を持った先輩達。
ミシン作業や機械のメンテナンス全般のことを教えてくれる10歳程上の先輩や、ベテラン社員の間でランドセルマイスターと呼ばれている大先輩も周りにいます。教えて欲しいと頼むと残業してまで付き合ってくれたり、時にはご飯に連れて行ってくれる、まるでお兄さんのような方々だそう。

「”わからないことがあったら何でも聞けよ”と言ってくださるので、とても頼りにしています。僕も今のうちにたくさん技術を磨いておいて、同じ10年後、後輩にきちんと教えられる人になりたいです。それが僕の目標でもあります。また、先輩方を見ていると、企業スローガンである”愛情のものづくり”を細部まで感じます。こだわりも強く、小さなミスも見逃しません。一つひとつ心を込めて作っているその姿を見習って、僕も頑張りたいです。」

世界に一つしかない、ランドセルを作りたい

通勤途中に、登校する小学生たちとすれ違いざま、毎日どうしても見てしまうのがランドセル。自分の作ったランドセルを背負っているお子さまを見ると、いつも嬉しくなってしまうそうです。
「この仕事をしていて良かったなと思います。やっぱり、子どもたちにもなるべく大切に使って欲しいなと思います。僕がお気に入りのブランドは、”モデルロイヤル・レジオ”のパールパープル。前ポケットに窓がついていたり、マチ部分に刺しゅうがほどこしてあるのもお洒落で、人気なのもわかります。もっと喜んでいただけるランドセルを作りたいですね。」
ものづくりが大好きな丸山さんがこれから職人として経験を積んでいく上で、達成したい将来の大きな夢を持っています。少しだけ教えてくれました。
「通常ランドセルは分業体制で作られていて、一人で仕上げるものではないですが、最初から最後まで工程全てマスターしたいです。そして、いつか父親になったときには、世界でたった一つしかない最高級のランドセルを、自分の子どもに作ることが夢です。僕好みの、とっても派手な形です。」
その言葉の後に、大きな笑顔を見せてくれました。その夢が叶う日まで、彼は成長し続けることでしょう。